スイスの秋のシーズンは、澄んだ青空、カラマツの黄葉、草紅葉、雪化粧したアルプスなど、この季節ならではの美しいコントラストが魅力です。
都市観光も過ごしやすい季節ですが、スイスの地元の人たちからは木々が色づく様子から「ゴールデンカラーシーズン」を呼ばれ、ハイキングのベストシーズンとして愛されています。
また、秋は収穫の季節。ジビエ料理やきのこ・栗、ワイン、チーズなどの秋の味覚も欠かせません。各地で収穫祭など、地元の人たちの生活に息づく催事も多くあります。
この記事では、秋シーズンのスイス旅行を検討している人に向けて、気候・服装など基本的な情報から、秋シーズンに一押しの観光スポットを紹介します。
秋スイスの気温・気候
秋のスイスはぐっと気温が下がり、降雪があることも珍しくはありません。
紅葉シーズンを狙いたいのであれば、山岳地帯で9月中旬〜10月上旬あたり、都市部(レマン湖エリア含む)は10月上旬〜11月はじめ頃までに訪問することをおすすめします。
もちろん、紅葉の時期は、その年の気候により早まったり遅くなったりします。
都市部のホテルは通年を通してオープンしている場合が多いですが、家族で経営している山岳地帯のホテルはオフシーズンにクローズします。10月2週目に入るとクローズするホテルが増えはじめますので注意してください。
また、ホテルのクローズに合わせて、徐々に運行する山岳交通機関も少なくなってきます。雪が降れば標高の高いハイキングコースは歩けなくなる可能性がありますので、事前にチェックする必要があります。
各地の気温・降水量目安
秋のスイスの各地の平均気温・降水量を表にしました。自分が訪問する場所が載っていない場合は、標高を目安に参考にしてください。
チューリッヒ(標高408m)
チューリッヒ | 9月 | 10月 | 11月 |
---|---|---|---|
最高気温(℃) | 20℃ | 15℃ | 9℃ |
最低気温(℃) | 12℃ | 8℃ | 3℃ |
降水量(mm) | 88.5mm | 81.6mm | 82.7mm |
グリンデルワルト(標高1,034m)
グリンデルワルト | 9月 | 10月 | 11月 |
---|---|---|---|
最高気温(℃) | 18℃ | 14℃ | 7℃ |
最低気温(℃) | 8℃ | 5℃ | 0℃ |
降水量(mm) | 85mm | 83mm | 98mm |
ツェルマット(標高1,620m)
ツェルマット | 9月 | 10月 | 11月 |
---|---|---|---|
最高気温(℃) | 16℃ | 12℃ | 6℃ |
最低気温(℃) | 6℃ | 2℃ | -2℃ |
降水量(mm) | 62mm | 58mm | 61mm |
サンモリッツ(標高1,822 m)
サンモリッツ | 9月 | 10月 | 11月 |
---|---|---|---|
最高気温(℃) | 14℃ | 10℃ | 3℃ |
最低気温(℃) | 1℃ | -3℃ | -9℃ |
降水量(mm) | 84mm | 88mm | 95mm |
秋スイスの服装
秋のスイスの気温は、日本の東京と比べると-10℃程寒いので、暖かい服装を準備する必要があります。
晴れた日中に歩いていると暖かく感じることもありますが、標高の高い展望台に上がったり、雨が降ったりすると一気に気温が下がります。重ね着をして、脱ぎ着しやすい服装で調節するのが基本です。
また、防寒対策として、フリース・ダウンなどを用意する必要があります。
おすすめ観光地
秋のスイスならではの景色・体験ができる、おすすめ観光地を紹介します。ぜひご旅行計画の参考にしてください。
エンガディン地方(サンモリッツなど)
スイス国内でも、秋シーズンに人気の観光地であるエンディン地方。
山岳リゾート・サンモリッツ周辺は、ベースの標高が1,822mと高くカラマツなどの針葉樹が多いため、一番早くに紅葉シーズンが始まります。
下の写真はベルニナ沿線のモルテラッチ。名峰ピッツベルニナやヴェラヴィスタなど、ベルニナアルプスが白く雪に覆われる景色も、秋晴れの青空に映えて美しいですね。
エンガディン谷のカラマツが一斉に黄色く色づく様子はまさにゴールデンカラー一色です!
周辺ハイキングはもちろん、世界遺産のベルニナ線(レーティッシュ鉄道の赤い列車が特徴)やランドヴァッサー橋など観光要素も多いところも特徴。
イタリアに近いこともあり、独自の食文化も面白いですよ。ぜひ、黄金に染まるエンガディン地方の滞在をお楽しみください!
世界遺産ラヴォー地区のぶどう畑(レマン湖エリア)
レマン湖エリアのヴェヴェイ〜ローザンヌ間にある世界遺産ラヴォー地区は、秋になるとぶどう畑一面が黄金に染まる中、散策とワイナリー(カヴォー)巡りを楽しめます。
スイスのワインは国内で99%されてしまうため、日本や海外ではなかなか手に入りません。
その中でも、ラヴォー地区はローマ時代までさかのぼるワインづくりの歴史あるエリア。1,000以上前から変わらぬワインづくりの伝統を継承していることが評価され、2007年にユネスコの世界文化遺産に登録されています。
ラヴォー地区のぶどう畑は、レマン湖に面する南斜面に段々畑のように石垣が積まれ、3つの太陽「太陽の直射光」「レマン湖からの反射熱」「太陽の熱を蓄えた石垣の輻射熱」によって育くまれます。
特にスイスを代表するぶどうの品種「シャスラ」でつくられた、爽やかな柑橘系の香りがする白ワインが特産です。
また、同じレマン湖エリアのモントルーやヴェヴェイから出ている、1DAYエクスカーションの観光列車に乗車して、グリュイエールのチーズ工場や、チョコレート工場に足を伸ばすのもおすすめです。
他山岳エリアでも秋色ハイキング!
上で秋に特に特色のあるエリアを紹介しましたが、他の人気山岳エリア(ツェルマットやグリンデルワルトなど)も、秋色のハイキングを楽しめます。
秋はハイキングコースを選ぶ必要はありますが、秋晴れの空気がひんやり澄み切った中、絶好の山岳展望を眺めながら思い思いに歩けるところが魅力です。
スイスには何度も足を運んでいますが、私の一番のお気に入りは実は秋シーズン。
以下、ランダムに写真で紹介しますので参考にしてください。
それぞれのおすすめエリアに関しては、別途深掘りした記事を書いていく予定なので乞うご期待ください。
まとめ:ぜひ秋シーズンのスイスへ!
スイスは四季折々の魅力があり、いつ訪れても新しい発見があります。夏シーズンがどうしても人気で観光客が集中しやすいですが、ぜひ秋のスイスにも目を向けてみてくださいね。
スイスの秋シーズンは少し短いのですが、山岳エリアにいく場合は9月中旬〜10月上旬がベストシーズンです。また、都市部やレマン湖エリアを楽しむ場合は10月中旬〜11月上旬頃がおすすめです。
各地の収穫祭・チーズ祭り・ワイン祭りに顔を出すのも楽しいので、それに関してはまた別にまとめます。