スイスの山岳リゾートでは、登山列車やゴンドラ・ケーブルカーなどの山岳交通機関が発達しているため、富士山より高い展望台まで人口の力を借りて上がれます。
そのため、誰でも簡単に景色の良い展望台で、素晴らしいアルプスの絶景を楽しめると人気です。
しかし、せっかく展望台まで上がったら、周辺をゆっくり散策してみませんか?
アルプスのきれいな空気を吸いながら、目の前にはどーんと聳えるマッターホルンや、スイス・アルプス4000m級の名峰群。歩くことでアルプスの大自然を肌で感じて、ただ展望台から眺めるよりもずっと印象深い旅になることでしょう。
本日は、これからスイスのツェルマットで観光をする人に向けて、簡単に歩ける絶景ハイキングコースを紹介します。ハイキング時の注意点もぜひチェックしてください。
ツェルマットで観光ついでに歩ける簡単ハイキングコース3選!
スイスで人気No.1の山岳リゾートであるツェルマットは、夏はハイキングのメッカです!その中でも、特別な装備なしに簡単に歩ける絶景のハイキングコースを紹介します。
ツェルマットには3つの有名な展望台がありますが(ゴルナーグラート展望台、グレッシャーパラダイス展望台、スネガ・ロートホルン展望台)、各展望台に訪問した後に歩けるハイキングコースを一つずつ選出しました。
- ゴルナーグラート展望台:リッフェル湖ハイキング
- グレッシャーパラダイス展望台:ガンデック小屋往復ハイキング
- スネガ・ロートホルン展望台:シュテリ湖往復ハイキング
スイスのツェルマットで展望台観光のついでに、ハイキングコースを歩いてみましょう!
①ゴルナーグラート展望台:リッフェル湖ハイキング
ゴルナーグラート展望台は、ツェルマットの中でも一番の絶景が広がる、人気No.1の観光スポットです。
そのゴルナーグラート展望台観光後に、登山鉄道の中間駅から簡単に歩けるハイキングコースが、今回紹介するリッフェル湖のハイキングです。
ゴルナーグラート鉄道の中間駅であるローテンボーデン駅(2,815m)から次の駅リッフェルベルク(2,582m)まで平坦な道を下る、約1時間30分の初心者向けハイキングコースを歩きます。
ローテンボーデンの駅を少し下ると、目の前には山上湖リッフェルゼーが!湖のそばまで降りると、条件がよければマッターホルンを湖面に映します。
この写真の景色があまりにも有名で、日本人観光客のほとんどがリッフェル湖を目当てにハイキングをするほどです。
夏場の6月下旬〜7月は特に混雑し、朝はパッケージツアーの団体客でハイキングコースが渋滞することもあるので、混雑する時間帯を避けて歩くことをおすすめします。
ツェルマットから朝8時頃に出発するゴルナーグラート鉄道は、特に「ツェルマットには日本人しかいないの!?」とびっくりするほど満員電車です(笑)
ローテンボーデンからは、10時頃に観光を終えた団体客が集結するので、それらの時間帯は避けた方が無難です。
夏場には、リンドウやコケマンテマを始めとする、さまざまな種類の高山植物が見られるコースです。お花のピークは残雪状況にもよりますが、例年は7月上旬頃になります。
ハイキングマップ
ハイキングコース詳細ハイキングの出発地点:ローテンボーデン駅/Rotenboden(2,815m)
ハイキングの終了地点:リッフェルベルク駅/Riffelberg(2,583m)
標高差:232m(下り)
目安のコースタイム:1時間30分程度
②グレッシャーパラダイス展望台:ガンデック小屋往復ハイキング
ヨーロッパで一番標高の高い展望台であるグレッシャーパラダイスは、なんと富士山よりも高い3,883mまでツェルマットの街からゴンドラを乗り継いで上がることができます。
グレッシャーパラダイスに到着したら一面の雪景色!氷河で冷やされた万年雪に覆われ、一年中スキーを楽しめることも驚きです。
グレッシャーパラダイス展望台を観光した後には、ゴンドラ途中駅のトロッケナーシュテックで降りてガンデック小屋まで歩くハイキングがおすすめです。
岩上を歩くやや登りのハイキングですが、特別な登山経験など無しで歩ける、往復で1時間半程度の簡単なハイキングコースです。
終始展望の良いトレイルを歩き、ガンデック小屋に到着したら、すぐ崖下の足元には大迫力のウンターターテオドール氷河が!
他にも、ついさっき訪問した展望台のあるクラインマッターホルンやブライトホルンを始め、スイス・アルプス4000m級の名峰群のパノラマを望みます。
ガンデック小屋に到着したら、ぜひ絶景の中でランチを食べてくださいね!
おすすめは、小屋名物のマウンテンガイドオムレツです!
ハイキングマップ
ハイキングコース詳細ハイキングの出発地点:トロッケナーシュテック/Trockener Steg(2,929m)
ハイキングの終了地点:ガンデック小屋/Gandegghutte(3,028m)
標高差:99m(上り/下り)
目安のコースタイム:1時間30分程度(往復)
③スネガ・ロートホルン展望台:シュテリ湖往復ハイキング
スネガ展望台はマッターホルンの形が一番きれい!と評判のエリアで、ツェルマットの街からは地下ケーブルに乗って3分程で到着します。
さらにゴンドラ・ロープウェイに乗り換えてロートホルン展望台にアクセスすれば、360度ヨーロッパ・アルプスに囲まれた絶景が待っています。
スネガ展望台からゴンドラでアクセスできるブラウヘルトから、マッターホルンを映すシュテリ湖(シュテリゼー)に向かって歩くハイキングコースが手軽でおすすめです。
アップダウンもほぼ無い簡単なハイキングコースで、往復で約1時間程度で楽々歩けます。
日本人には一番始めに紹介したリッフェル湖があまりに有名ですが、個人的にはこちらのシュテリ湖の方がマッターホルンの角度が良くて好きです(団体客も少なめです)。
シュテリ湖に到着したらぐるりと湖を半周すると、逆さマッターホルンが映るスポットがあります。
さらにシュテリ湖の先にあるフルアルプ小屋まで足を伸ばせば(10分程度)、氷河の絶景とおいしいと評判のランチが待っています!
マッターホルンを真正面に眺めながら食べるランチはとっても贅沢…!!
夏のシーズンには色とりどりの高山植物が咲き、みんな大好きなエーデルワイスが見られるチャンスもありますよ!(エーデルワイスは7月中旬頃)
ハイキングマップ
ハイキングコース詳細ハイキングの出発地点:ブラウヘルト/Blauherd(2,574m)
ハイキングの終了地点:シュテリ湖(シュテリゼー)/Stellisee(2,538m)
標高差:36m(下り/上り)
目安のコースタイム:1時間程度(往復)
ツェルマットでハイキングする時の注意点
最後に、ツェルマットでハイキングを楽しむためのポイントを簡単に紹介します。
ハイキングコースの残雪に注意しよう!
ツェルマットのハイキングシーズンは6月下旬〜10月中旬頃ですが、中でもお花(高山植物)のピークである7月上旬〜中旬あたりが日本人に一番人気です。
しかしハイキングコースのコンディションは、その年の残雪状況によって変わります。特に6月下旬〜7月上旬頃に予定している人は、事前にハイキングコース上に雪が残っていないか確認してから歩くようにしましょう。
例年であれば7月上旬で歩けないコースはほぼ無いはずですが、雪解けが遅くなったシーズンには、今回紹介したコースも一部雪が残っているような場合があります。
湖にマッターホルンが映る3つの条件!
マッターホルンが湖にきれいに映るには、以下の3つの条件がそろう必要があります。
- お天気が良いこと(マッターホルンが見えていること)
- 湖に残雪がないこと
- 無風状態なこと(湖面がゆれない)
その中でも、風が強いと湖面が揺れてしまうため、マッターホルンが湖に映らないことが多々あります。また晴れていても、雲が多くてマッターホルンが隠れてしまうこともあります。
そんな時には、風が止むタイミングまで辛抱強く待機するしかありません!
あきらめずに待っていれば、ピタッと風が止んで、マッターホルンが顔を出してくれるかもしれません(実際にそういう経験は多いです)
必ず歩きやすい靴で歩こう!
ハイキングシューズがベストですが、今回紹介したハイキングコースでは、スニーカーでも歩ける程度の軽めのトレイルです。
そうは言っても、ところどころ急な斜面や、コンディションによっては滑りやすいところはあるので、必ず歩きやすいシューズを用意するようにしましょう。
私がツェルマットで外注ガイドをしていた時は、まれに大手パッケージツアーの添乗員さんがパンプスを履いてくるようなことがありましたが…(笑)
安全で快適に楽しむためにも、自己管理が大事だと思います。
まとめ
ツェルマットの観光ついでに歩ける簡単なハイキングコースを紹介しました。
せっかくスイスを代表する山岳リゾートに行くからには、やはり大自然の中でアウトドアを楽しんでほしいです。
スイスのハイキングコースは道標がしっかりと設置してありますし、シーズンであればたくさんの人が歩いているので、比較的安全にハイキングができます。危険な野生動物もいません(熊もません)
今回紹介したハイキングコースは、どれも気軽に歩けるところで、尚かつツェルマットを代表する絶景を楽しめるので、ぜひ歩いてみてください!
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