スイスの言語について|4つの公用語の割合・分布・英語は通じる?

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スイスほど多言語な国家は他にあるでしょうか?

スイスでは4つの公用語「ドイツ語」「イタリア語」「フランス語」「ロマンシュ語」が話されています。

同じスイス国内でも、出身地域によって話される言語が違うという不思議な国なのです。

列車のアナウンスも地域によって順番が変わります。ドイツ語圏の地域であれば、一番にドイツ語のアナウンスが流れ、次にフランス語、イタリア語と続くなど。また観光地では英語のアナウンスが流れることもあります。

観光立国であるスイスでは、英語はもちろん話されていて、主要な都市・観光地ではどこでも英語でやり取り可能です。もはや4言語もあって面倒なのか、スイス人同士でも異なる言語圏の人とコミュニケーションを取るのに「英語」を使うことが多くなっているのだとか。

今回は、これからスイス旅行する人の事前知識として、スイスの言語の話されている割合・分布や、英語がどのくらい通じるのかなど気になる部分について紹介します。

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スイスの言語の割合|どの言語が一番話されている?

上の表はスイス国民が第一言語として話している言葉の割合です(スイス連邦統計局のデータより2022年)

ここ数十年で少しだけ言語割合が変わってきているそうで、一番話されている言語は「ドイツ語」で変わりませんが、やや割合的に下がってきています。現在では、6割以上のスイス国民がドイツ語を第一言語として話しています。

ドイツ語と言っても「スイスドイツ語」と呼ばれていて、地方によって方言の種類も豊富です。

続いてフランス語が22.8%なので、スイス国民の2割以上がフランス語を話しています。その次にイタリア語で、8%と国民の1割に満たない割合です。

ロマンシュ語は、ラテン語をルーツとする古い言語で、グラウビュンデン州のアルプスの山間部で話されてきた歴史があります。しかし、だんだん話す人が少なくなり、このままではロマンシュ語が失われてしまうのではないかと危惧されています。現在では約0.5%の割合を死守しています。

スイス永住権を取得している人を対象にした統計ですが、スイスには多くの外国人が移住しているため、英語を第一言語とする人は 5.8%も住んでいます。英語を話す人の割合も増えてきているそうです。

スイスの言語圏の分布|どこで何が話されている?

Tschubby, CC BY-SA 3.0 https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0, via Wikimedia Commons

上の地図は、スイスの言語圏の分布を地図上に示したものです。なかなか複雑に入り組んでいるので、ちょっと地域を超えたら話す言語が違ったなんてことが起こり得ます。

しかも山岳地域では独自に育ったアクセントも多く、あいさつ言葉が異なったりなど、なかなか全部を覚えるのが難しいですね。

オレンジ=ドイツ語圏

一番大部分を占めている中央のオレンジ色に塗られている部分が、ドイツ語圏エリアです。チューリッヒ・ベルン・ルツェルン・グリンデルワルト・ツェルマットなどの観光地はドイツ語圏ですね。

スイスのドイツ語圏の挨拶は「Grüezi(グリュツィ)」が一般的です。

薄紫色=フランス語圏

そして、薄紫色に塗られているスイス西部はフランス語圏です。ジュネーブやモントルーなどレマン湖周辺の都市や、ジュラ山脈の山岳地帯ではフランス語が話されています。

緑色=イタリア語圏

緑色のエリアがイタリア語圏で、ロカルノ・ルガーノ・ポスキアーボ・ティラーノなどの都市が挙げられます。

黄色=ロマンシュ語圏

黄色く塗られているところがロマンシュ語が話されている地域です。エンガディン地方に集中していますが、サンモリッツはドイツ語が基本で、一部にロマンシュ語が話されいる地域が残っています。

エンガディン地方を歩いていると地名にロマンシュ語が使われていることが多く、サンモリッツもロマンシュ語で「イン川の庭」の意味を持っています。

スグラフィットの壁画のロマンシュ語|Copyright by: ENGADIN St. Moritz

ロマンシュ語圏の挨拶は「Allegra(アレグラ)」が一般的で、グラウビュンデン州のサンモリッツ周辺をハイキングしていても耳にすることがあります。「あなたの幸せをお祈りします」という素敵な意味が込められた挨拶言葉です。

英語はどのくらい通じる?

ツェルマットのような観光地はまず問題なし

最後に、スイスの英語の通じるレベルはどうなのかについてですが、観光地であれば間違えなく英語が通じます。

スイス人や出稼ぎ労働者は英語ネイティブではないので、もちろんペラペラな人ばかりではありませんが、片言でも意思疎通を十分に図れるレベルの人ばかりです。

しかし、スイスのフランス語圏を旅行した時は、バスの運転手やレストランの店員さんなど、フランス語しか話してくれませんでした(泣)スイスのフランス語圏に行く時には注意した方が良いかもしれません。

フランス語を話す人たちは頑なにフランス語しか話さないことが、フランスでは無いところでもあり得るということを知りました…。もちろんホテルのスタッフや駅員などは英語を話してくれますが。

また、少し田舎の小さな村に一人で旅した時は、もちろん全然言葉が通じない住民の人もいました。そのような場所に行く機会がなければ、もちろん問題ないと思います。

まとめ:さまざまな文化圏があって面白い!

スイスには、地域によってさまざまな言語・文化圏があり、住んでいる人たちの雰囲気や建物、食文化も異なります。

一度訪問しただけではスイスの表面的な部分しか見えてきませんが、色々な地域に足を運ぶほどもっと興味が湧き、スイスの沼に足を踏み入れてしまう人も少なくありません。

スイスアルプスのダイナミックな景色だけでなく、ローカルな列車・ポストバスに揺られて、谷奥にある小さな村を訪ねて歩く旅もなかなか面白いですよ。

これからサイト内のコンテンツ(情報)を増やしていこうと思うので、またチェックしてもらえたらうれしいです。

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