スイス有数のワインの産地として知られるラヴォー地区は、フランスとの国境に跨るスイス最大のレマン湖の丘陵地帯にあります。斜面一面に段々畑のように広がる葡萄畑の景色はとても美しく、旬の秋シーズンにはたくさんの人が訪れます。
ラヴォー地区の葡萄畑の間をぬうように散策路を歩きながら、小さな可愛らしい村を訪れたり、生産者のカヴォー(ワイナリー)で試飲を楽しむのがおすすめです。晴れていればレマン湖畔の対岸のフランチアルプスの山々が見えることも!
今回は、これからラヴォー地区に訪問する人向けに、ラヴォー地区のワインづくりについて、ハイキングコース、ワイン試飲できる設備、おすすめホテルなど詳しく紹介します。
ラヴォー地区の葡萄畑とワインづくり
ラヴォー地区は、レマン湖のローザンヌからモントルー郊外のシヨン城辺りまで、湖畔の丘陵地帯にテラス状に広がる葡萄畑(ワイン生産地)のことを指します。
ラヴォー地区の歴史
ラヴォー地区のワインの生産地としての歴史は長く、この地に葡萄が植えられた起源はローマ時代にまで遡ると言われてます。また、11世紀にベネディクト会修道院とシトー会修道院が支配していた時代に、石を積み現在の葡萄畑の原型が造られたと考えられています。
1000年以上もの長い歴史を誇るラヴォー地区ですが、小さな村でのワインづくりの伝統や暮らしは、進化と発展を繰り返しつつも、今も変わらずに受け継がれています。
レマン湖畔にテラス状に広がる葡萄畑や、昔ながらの建物などが保存されていて、ワインづくりの伝統が垣間見える希少な文化的景観として、2007年に世界文化遺産に指定されました。
ラヴォー地区のワイン
ラヴォー地区のワインは、以下の原産地呼称 (AOC) で管理されています。
- カラマン グラン クリュ AOC
- デザレー グラン クリュ AOC
- ラヴォー AOC(ルトリー・ヴィレット・エペス・サン・サフォラン・アザミ・ヴヴェイ・モントルー)
また、ラヴォー地区の葡萄が育つ環境として「3つの太陽」で育まれていると言われています。レマン湖の恩恵をたっぷりと受けた葡萄でつくられたワインが特徴です。
- 太陽そのもの(空からたっぷりと浴びる太陽光)
- ブドウ畑の壁に蓄えられた熱
- レマン湖からの反射
ラヴォー地区の地図・ハイキングコース
ラヴォー地区は、ローザンヌからモントルー郊外までと広大ですが、
基本的に葡萄畑は斜面につくられているので、まずはヴェヴェイ(Vevey)から電車で丘陵地帯の上にあるシェーブル・ビレッジ(Chexbre-Village)にアクセスして、そこから下りながら散策するのがおすすめです。
シェーブル・ビレッジからサン・サフォラン(St-Saphorin)や、リヴァ(Rivaz)まで歩く軽ハイキングが人気があります。それぞれ1時間程度の散策コースです。
また、あまり歩きたくないけどラヴォー地区を満喫したいという人は、リュトリ(Lutry)やキュリー(Cully)の船着場から葡萄畑を周回するミニトレイン(ラヴォー・エキスプレス)に乗車することもできます。
シェーブル・ビレッジ駅からサン・サフォラン・リヴァへ
ヴェヴェイから列車で約10分でシェーブル・ビレッジに到着します。
今回、写真を撮るのを忘れてしまったのですが、シェーブル・ビレッジの駅横すぐにインフォメーションセンターができていました。ハイキングの地図や情報をもらえるので、ぜひ立ち寄ってください。
すでにワインが飲めるカウンターのような場所やお土産も売られていました。線路の高架下を通って村を抜けると、レマン湖方面へ抜けられます。
シェーブル・ビレッジの村から葡萄畑のハイキングコースへ入ったら、ラヴォー地区らしいレマン湖と一面の葡萄畑が広がっています。
ここからは思い思いに散策を楽しみましょう!!!
ところどころ、葡萄やワインづくりの解説プレートがあります。
サン・サフォランまで歩いたら駅がありますので電車で移動することもできます。
隣村のリヴァまで歩けば、2010年に新しくできた施設「ラヴォー・ヴィノラマ」でワインの試飲と「ワイン生産者の一年」という15分程度の動画を日本語で見ることができます!
ラヴォー・ヴィノラマでワイン試飲
リヴァ(Rivaz)にある「ラヴォー・ヴィノラマ」の施設では、ラヴォー地区随一のワインの取り揃えを誇るワインセラーでワインの試飲が楽しめます。レストランはありませんが、生ハム・サーモン・パン・チーズなどの軽食(おつまみ)も食べられます。
ラヴォー地区の葡萄畑では、シャスラ(白)の品種が4 分の3を占めているので、今回はシャスラの飲み比べをしてみました!それぞれの地区のワインの特徴などもきちんと解説してくれます。
個人的には、サン・サフォランのワインがお気に入りでした
ラヴォー地区のワインの中で、一番有名な高級ワイン「デザレー(Dezaley)」がありますが、そこの地区は傾斜が一番傾斜が急なところにワインが植えられているので、湖からの反射熱が多くあたりフルボディーなワインになるとのこと。
また、映画「ワイン生産者の一年」が日本語で見られますので、ぜひ試飲をしない人も立ち寄ってみてくださいね(15分程度です)
世界遺産の葡萄畑の中で宿泊できるホテル
リヴァでワイン試飲を楽しんだ後、葡萄畑に囲まれたホテル・ラヴォーへ向かいました。ホテル・ラヴォーは、エペス(Epesses)駅すぐ近くにあります。
ホテル・ラヴォー|Hotel Lavaux
ホテルラヴォーは、エペス(Epesses)駅すぐ近くにあり、目の前はレマン湖、裏側は葡萄畑の素晴らしいロケーションにあるホテルです。
お部屋の中はシンプルなつくりではありますが、湖側(レイクビュー)のお部屋が取れればラグジュアリーな気分で滞在できます。バスタブ付きのお部屋は残念ながらありません。
屋上にテラスがあり、ここでコーヒーなど飲みながらのんびりするのも良いですね。
比較的リーズナブルな価格で宿泊できるホテルで、併設のレストランで夕食(3コース)を予約することもできます。
まとめ:レマン湖畔で素敵な滞在を!
レマン湖畔の世界遺産の葡萄畑ラヴォー地区を紹介しました。
他にもレマン湖周辺にはさまざまな観光地があり、とても優雅で素敵な雰囲気の漂うリゾートです。オードリーヘップバーンやチャップリンなど、数々のセレブたちが気に入って滞在した意味が頷けます。
ジュネーブ空港から約1時間程度と近いので、ぜひ旅行の最終日などの宿泊地や、他観光地との組み合わせで考えてみてください。
スイスのご旅行相談も受けたまわっています。最新情報はInstagramにて発信していますので、覗いてみてください(
)。