スイスを代表する観光都市であるルツェルンは、スイスのほぼ中央に位置します。
駅から歩いてすぐに旧市街に入ることができ、中世の面影を感じさせる建物・壁画・城壁などが残されているところが魅力です。
ルツェルンの街に流れるロイス川には、ルツェルンのシンボルでもある有名なカペル橋が架かります。その背後には、独特なかたちをしたピラトゥス山が見えます。
旧市街散策ももちろんですが、山岳交通機関を利用してピラトゥス山の山頂展望台にアクセスするのもおすすめ。また、フィアヴァルトシュタッター湖の湖船を利用してリギ山の展望台へ1日観光もできます。
今回は、さまざまな楽しみ方ができるルツェルンのおすすめ観光スポットを紹介します。
ルツェルン旧市街・1日観光モデルコース
では、まずはルツェルンの街中を徒歩で楽しめる旧市街散策ルートを紹介します。
以下の順番で回ると、ルツェルン駅からスタートしてぐるっと効率良く見どころを観光しながら、旧市街散策してルツェルン駅に戻ってくることができます。
- カペル橋
- ホーフ協会
- ライオン記念碑
- ムーゼック城壁
- シュプロイヤー橋
- イエスズ協会
1)カペル橋|Kapellbrücke
駅からロイス川沿いに歩くとすぐに辿り着く(徒歩3分程度)カペル橋を訪問します。カペル橋には、ゼラニウムの花がびっしり飾られていて、遠くから写真を撮っても絵になります(夜のライトアップもきれいです)
昔は湖から侵入を試みる敵から守るための城壁の一部だったそう。完成は1333年と古い歴史があり、その後、1993年に火災で大部分が焼けてしまいましたが翌年修復されました。木造の橋としてはヨーロッパ最古のものです。
橋の屋根の内側の三角形の箇所に、17世紀に描かれた「スイス連邦とルツェルンの歴史」の絵画が並んでいるのも必見です。
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2)ホーフ教会|Hofkirche
ルツェルンの市民の礼拝の場所として、今での最も重要な役割を担っている協会です。その歴史は深く、8世紀にベネディクト会の修道院として設立されたことがはじまり。
当時はロマネスク様式でしたが、14世紀にゴシック様式に改築され、17世紀に火災で消失したのちにルネッサンス様式で再建されました。ドイツ後期ルネサンス時代の最大の芸術作品の 1 つとして評価されています。
教会の中にはヨーロッパ最大・最重量のパイプオルガン(7374本)があることで有名、また、1500年頃の作で17世紀の火災でも消失をまのがれた「マリアの祭壇」が見どころでです。
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3)瀕死のライオン像|Löwendenkmal
ルツェルン駅から徒歩で10分ほどかかる旧市街の外れにありますが、カペル橋に次いで多くの人が訪問する観光スポットです。公園の中に大きなライオンの像があり、腹部に槍が刺さっています。
スイスは昔とても貧しく、お金を稼ぐために兵を傭兵として隣国に輸出していた過去があります。この像は1792年フランス革命の際に、フランス王家に雇れてルイ16世とマリーアントワネットを守ろうと命を落とした786人のスイス人傭兵たちを弔うために造られたものです。
フランス王家側について戦っていたフランス人たちが逃げ出す中、スイス人傭兵たちは忠誠を尽くし最後まで戦ったのだとか。ルツェルン観光では、必ず訪問しておきたい観光スポットです。
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4)ムーゼック城壁|Museggmauer
ムーゼック城壁は、13世紀にルツェルンの街を守るために建てられた要塞で、スイス国内に現存するものとしては長さ870mと最長です。中世の面影が残る貴重な史跡なので、ぜひ訪問してみてください。
現在ではルツェルンの市街地の北側の9つの塔の部分が残っていて、その中でも4つの塔が夏シーズンのみ一般に開放されていて無料で中に入ることができます。城壁の上に登ると、ルツェルン湖やロイス川、そしてピラツゥス山を背後に旧市街を見渡すことができます。
9つの塔の中央にあるのが時計塔で、1533年から変わらずにルツェルンの街の人に鐘を鳴らします。ルツェルンにある教会は、この時計塔よりも1分遅れて鐘を鳴らすことが決まり事となっています。
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5)シュプロイヤー橋|Spreuerbrücke
ルツェルンのロイス川に架かるもう一つの有名な橋で、ムーゼック城壁訪問後にこの橋を渡って駅方面に戻るのがおすすめです。
シュプロイヤーとは「もみ殻」のことで、橋の隣には水力を利用して小麦を脱穀する工場があり、そのもみ殻を端からロイス川に捨てていたことから「もみ殻橋」と呼ばれていたとのことです。
この橋には、1635年に描かれた「死の舞台」と呼ばれる貴重な作品が残されていて、ペスト流行の背景から「死が遍在し、いつでも誰にでも襲いかかる可能性がある」ことが描写されています。
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6)イエズス教会|Jesuitenkirche
1666年にスイス最古のバロック様式の教会です。
玉ねぎ型の斜塔が特徴的で、中に入ると明るく華やかな装飾が施されています。特に天井画や宝飾庫は、ぜひチェックしてみてください。
また、隣には13世紀後半に建てられた「フランシスコ教会」があり、スイスで最も美しいゴシック建築いわれているので併せて訪問をおすすめします。
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ルツェルン郊外の観光スポット【1日遠足】
ルツェルン郊外に足を延ばす場合には、ルツェルンで1泊以上してゆっくり楽しみましょう。
スイス交通博物館
ルツlルンの郊外にあるスイス交通博物館は、鉄道大国であるスイスの蒸気機関車・登山鉄道の仕組みや歴史のわかる展示物、昔のケーブルカー・スキーリフトなどさまざまなコレクションが展示されている。コレクション数は3000点を超えるとの充実ぶり。
また、飛行機に関する展示物お多く、初期のスイス航空の展示物や、フライトシュミレーター(自分で操縦した通りに動く)などのアトラクションもあり、飛行機マニアにはたまらない空間になっている。
また、スイスの上空からを2万分の一のサイズで全土をカバーしている航空写真が床一面に広がっている部屋や、プラネタリウム、チョコレート・アドベンチャーなど、さまざまなアトラクションが充実しているので丸一日楽しめること間違いありません。
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ピラトゥス山|Pilatus
ルツェルンの街から見えるシンボル的な存在である「ピラトゥス山」は、山頂に展望台・2つの山岳ホテル・レストランがあります。岩肌むきだしの険しい山のかたちが特徴的で、世界一急勾配の登山列車、またはロープウェイでアクセスします。
山頂からの景色は素晴らしく、特にベルナーオーバーラント地方のアルプスのパノラマを望みます。夏シーズンには、簡単に散策できるハイキングコースもあります。ルツェルン付近で一番人気の展望台です。
登山列車の場合
登山列車に乗る場合には、ルツェルンから列車・バス・湖船のいずれかに乗車して「アルプナハシュタット」にアクセス、そこから世界一急勾配といわれる登山列車乗り場へアクセスします。
バスの場合
ロープウェイの場合には、ピラトゥス山の北側「クリエンス|Kriens」から上り下りできます。往復別ルートを取ると両方の乗り物を楽しめるのでおすすめです。ルツェルン中央駅からバスが発着しています。
リギ山|Rigi
リギ山は、ルツェルン郊外にあるなだらかな山で、山頂にはスイスで一番最初にできた山岳ホテルが現在もなお営業しています。山頂のホテルテラス席でゆっくりランチを楽しみ、ハイキングがおすすめです。
山頂からはベルナーオーバーラントのアルプスの展望が素晴らしく、アイガー・メンヒ・ユングフラウをはじめユングフラウ地方最高峰のフィンスターアールホルンまで望みます。
山頂から麓のフィッツナウまでは約8.2kmのハイキングコースがありますが、体力に合わせて途中で登山列車に乗ることもできます。
フィッツナウ・リギ鉄道(赤い列車)
リギ山の山頂まではふた通りのアクセスがありますが、まずはルツェルン駅目の前の船着場から湖船に乗車してフィッツナウ(Vitznau)にアクセス、そこから登山列車でリギ山山頂までアクセスする方法です。
アルト・リギ鉄道(青い列車)
または、ルツェルンから列車でアルト・ゴルダウ(Alth-Goldau)までアクセスし、そっから登山列車でリギ山頂までアクセスする方法があります。
▼列車・湖船の時間・乗り方は以下の記事をどうぞ
まとめ:ルツェルンには見どころがたくさん
ルツェルンには、旧市街だけでなく見どころがたくさんあります。
上で紹介した観光スポット以外にも、美術館・博物館などを含めるととてもではありませんが短い期間で回りきれませんね。
この記事が、効率良く観光スポットを回りたいという人の参考になればうれしいです。また、1泊以上時間が取れるという人は、ぜひ郊外の観光スポットもチェックしてみてください。