サンモリッツ周辺で観光ついでに歩ける初級ハイキングコース4選！

スイス東部のサンモリッツは、ベルニナ山脈・氷河・湖に囲まれた美しい山岳リゾートです。スイス最大の州であるグラウビュンデン州のエンガディン地方と呼ばれる、オーストリアやイタリア国境に近い立地にあります。

チューリッヒ空港からは、電車で約3時間45分かかります。有名な特急列車「氷河特急」や「ベルニナ特急」の起点となる街でもあるので、両方の列車に乗車してみたい人にもおすすめ滞在地です。

スイスの他の山岳リゾートと比べてもサンモリッツはベースの標高が高く（1822m）夏シーズンでも爽やかな気候であることが特徴。また、年間晴天率が300日を超えるほど「晴れ間」が多く、街のシンボルは太陽マークです。

サンモリッツ周辺には有名な展望台や観光地が点在していますが、今回は主要な観光スポット立ち寄りついでに歩ける軽ハイキングコースを紹介します！

せっかく自然豊かなアルプスに滞在するのであれば、自分の足で歩いてアルプスの自然を肌で感じましょう！

サンモリッツ（エンガディン地方）に2泊以上滞在する人は、ホテルで「ベルグバーネンインクリーシブパス」をもらえます。パスを使えば周辺バス・電車・山岳交通機関を無料で利用できます！

サンモリッツ周辺で観光ついでに歩けるハイキングコース

サンモリッツ周辺はハイキングコースが無数にあり、何度訪れても楽しいリゾートですが、まずは初めて訪問する人向けに主要な人気観光スポット＋ハイキングコースを紹介します。

1. オスピッツォ・ベルニナからアルプラングワルト（ベルニナ線沿線観光）
2. コルバッチ展望台中間駅ムルテルからスールレイ峠往復
3. ソーリオ村からスタンパ村へハイキング（ソーリオ村散策）
4. ムオタス・ムラーユ展望台からアルプラングワルト

オスピッツォ・ベルニナからアルプラングワルト

サンモリッツ駅からイタリアのティラノ駅までをつなぐ世界遺産ベルニナ線（ベルニナ特急が走る区間）の沿線にあるハイキングコースです。

サンモリッツからベルニナ線に乗車して、最高地点の「オスピッツォ・ベルニナ（ベルニナ峠）」で下車、主要なベルニナ・アルプスの4000m級名峰に抱かれた氷河湖「ラーゴビアンコ（白い湖の意味）」沿いを歩きます。

ラーゴビアンコ沿いを過ぎると一旦森の中に入るハイキングコースへと変わります。夏シーズン（7月上旬頃がピーク）には、色とりどりの高山植物が登山道に彩りを添えます。

森を抜けて視界が開けると、赤いベルニナ線の列車がイタリア側のポスキアーボ湖に向かって走っている様子などが目に入ります。そしてゴール地点のアルプラングワルトでは、迫力あるパリュ氷河・ベルニナアルプスの一番のハイライトが待っています。

アップダウンが少なく終始歩きやすいコースなので、スニーカーでも大丈夫です。

ハイキング前後で、ベルニナ線沿線で一番人気のある「ディアヴォレッツァ展望台」観光と組み合わせることも可能です。ベルニナ山脈の名峰が勢揃い、また直下から流れるモルテラッチ氷河の迫力が見事な展望台です。

ディアヴォレッツァ展望台には、山岳ホテル「Berghaus Diavolezza」があり、展望レストランでランチできます。もちろん宿泊も可能で、個室があります（事前予約制）

ハイキングMAP

ハイキングコース詳細

ムルテルからスールレイ峠・ベルニナアルプス展望ハイキング

サンモリッツからバスでシルバプラーナ・スールレイ（コルバッチ・ロープウェイ乗り場）へアクセスしたら、まずはロープウェイを乗り継いでコルバッチ展望台へ。

コルバッチ展望台からは、ベルニナアルプス最高峰のピッツ・ベルニナ(4048m)をはじめとするエンガディン地方の名峰群や、晴れていれば遠くヴァリス州の山々をも見渡す山岳展望を望みます（展望レストラン・カフェもあります！）

一息ついたら中間駅のムルテルへ下り、片道１時間かからずに簡単に歩けるスールレイ峠まで往復ハイキングがおすすめです。

ムルテルからスールレイ峠までは冬はスキーコースにもなる砂利道ですが、コース脇に高山植物も咲いています。峠手前からはジグザグと100m程登りますが、アップダウンも少なく歩きやすい道です。

スールレイ峠へ登ると一気に視界が開け、ベルニナアルプスの大展望が広がってます。条件が良ければ、ベルニナ山群が山上湖に映ります。

峠には簡単な食事（スープやソーセージなど）ができるレストランがあります。

美しい景色を堪能した後は、同じ道を引き返します。

健脚の人はさらにロゼック谷へと下るハイキングコースもおすすめですが、距離が長く急斜面を下るので普段から山登りをされている方や若くて体力がある人向けです。

ハイキングMAP

ハイキングコース詳細

ソーリオ村からスタンパ村ハイキング【ソーリオ村周辺散策】

サンモリッツ周辺の観光スポットとして人気が高いソーリオの村。サンモリッツからは郵便バス（ポストバス）に揺られてマロヤ峠を抜け、いくつもの小さな集落を経由して約1時間30分かけてアクセスします。

ブレガリア谷にひっそりと佇む小さな村ですが、ローマ時代から変わらず保存されたような石畳の街並みが特徴。周囲はシオーラ山郡のギザギザとしたアルプスに囲まれています。

サンモリッツ周辺で活動していた画家「セガンティーニ」の代表作「三部作」の舞台となったことでもう有名で、セガンティーニはあまりの美しさに「楽園の入り口」と形容しました。

ソーリオの村から隣のカスタセーニャ村まではヨーロッパ最大級の栗畑があり、ブレガリア谷の名産品となっています。栗のケーキ・タルト・パスタなど、さまざまな栗料理が食べられます！

ハイキングは、ソーリオ村からスタンパ村までのひたすら下るコースがおすすめですが、やや急斜面な下りが1時間30分程度続きます。体力的に心配な人は隣村のカスタセーニャまでのハイキングや、ソーリオの村周辺を散策するだけでも楽しめると思います。

ちなみにスタンパの村には、スイスを代表する芸術一家であるジャコメッチ一家が住んでる家とアトリエがあります。そこのアトリエに併設されているカフェに立ち寄ったことがあるのですが、今もやっているかは不明です…。

ハイキングMAP

ハイキングコース詳細

ムオタスムラーユ展望台からアルプラングワルト

サンモリッツより電車またはバスで40分弱で、ムオタスムラーユ展望台のケーブルカー乗り場「プントムラーユ」にアクセスします。

真っ赤なかわいいケーブルカーに乗車してムオタスムラーユ展望台に上がると、ベルニナ山郡の山並みと、サンモリッツの街や湖、ロゼック谷方面が一望できます。そこからポイントレジーナの街方面に続くハイキングコースを歩いて、アルプラングワルトまでは約2時間30分です。

やや長いコースがので無理をしたくない人は、展望台の周辺散策して楽しんだら、ムオタスムラーユの展望レストランでランチを食べて下山するなどのプランがおすすめです（やや高めですが、素晴らしいレストランです！）

途中「セガンティーニ小屋」に続く分岐がありますが、セガンティーニ小屋経由のコースは健脚向きなので、普段から運動していて余裕のある人のみチャレンジしましょう（追加で1時間かかります）

アルプラングワルトからはチェアリフトでポントレジーナの街へ下り、電車またはバスでサンモリッツまで戻ります。

ハイキングコースMAP

ハイキングコース詳細

まとめ：標高が高いので残雪には要注意！

サンモリッツ周辺のハイキングコースは、標高2,000m以上を歩くことが多く残雪の影響に注意する必要があります。

ハイキングシーズンは6月下旬からスタートしますが、その年の残雪状況によってはまだハイキングコースに雪が残っていることがあります。サンモリッツの観光局オフィスやウェブカメラで事前に確認しましょう。

サンモリッツは電車・バスをうまく使って周辺ハイキングコースにアクセスします。滞在中はホテルからもらえるパスを使ってほぼ無料で公共交通機関・山岳交通機関を利用できます。かなりお得に楽しめるリゾート地です！

では、エンガディン地方での滞在をお楽しみください。ご質問がありましたらコンサルティングも受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。