スイスのワインは、日本ではあまり耳にすることもなく飲んだことがある人も少ないはず。スイスでワイン?と疑問に思うかもしれませんが、スイスワインは国内で消費されてしまうため外国にはわずか1.5%しか流出していません。
そんな背景もあり、スイスはワイン生産国としてあまり知られていませんが、実はワインの生産が盛んな国でもあります。スイスでは250種類ものぶどうの品種が栽培されていて、その土地ならではの希少なワインが数多く存在しています。
スイスワインは26全州で栽培されていますが、特にツェルマットのあるヴァリス州(ヴァレー州)はワインの生産量が1位の地域です。国内の1/3のワインがヴァリス州(ヴァレー州)で生産されています。
この記事では、これからツェルマットに旅行する人に向けて、ツェルマットでどんな種類のワインが飲めるのか解説していきます。お土産で持ち帰る方法もぜひチェックしてください!
スイスのツェルマットで飲めるワインの種類は?
では、早速ツェルマットで飲めるワインの種類を白・赤に分けて紹介していきます。
スイスの国内で生産されているワインの割合は白・赤と半々くらいですが、スイスワインの一番代表的な品種は白のシャスラです。
では、ヴァリス州のワインを詳しく見ていきましょう。
白ワインの種類
スイス国内でも、ツェルマットのあるヴァリス州(ヴァレー州)ならではのワインを紹介します。
ファンダン/ Fendant
スイスの白ワインの中でも一番知られた品種で、ヴァリス州では生産量がNo.1です。ツェルマット では、どこのレストランやホテルでも、白ワインと言えばファンダンが出てきます。
ファンダンのブドウの品種はシャスラです。スイスを代表する品種の一つで、世界の8割シャスラのワインがスイスで作られているそうです。
シャスラは、そのテロワール(土地の土壌や気候が)味に反映されやすいので、ローカルな味わいを楽しむことができることが特徴です。ヴァリス州で栽培されたシャスラで作られたワインのみ「ファンダン」と名付けられています(AOCワイン)
一般的には、ドライで軽く、口当たりの良いワインです(食中酒にも最適!)。チーズを使った料理、チーズフォンデュやヴァリス州特産のラクレットチーズなどに良く合います。
ハイダ/ Heida
ヨーロッパで一番標高の高いブドウ畑で生産されているワインです。
ハイダが生産されているフィスパーテルミンの村は、ツェルマットに電車で移動する途中の、フィスプという駅近くから見ることができる、高い丘の上の標高1200m付近にあります。その谷の斜面650m-1150mにハイダのブドウ畑が広がっています。
ハイダは同じ名前の古い品種のブドウ(ソヴィニヨン・ブランやトラミネールから派生したもの)から作られたワインです。標高が高いのでブドウは小粒、生産量も限られています。
小粒なブドウに糖度が凝縮されて、アルコール度数の高いワインが出来上がります。フルーティーな香りとドライで腰のある味わいが特徴です。
スイス国内でもあまり出回っていないので、ぜひツェルマットで飲んでみてください!
ヨハネスブルク/ Johannisberg
ヴァリス州で2番目に広く栽培されている白ワインです。ファンダンよりも少し後に収穫時期を迎えます。ツェルマットのスーパーやレストランなどで頻繁に見かけます。
ブドウの苗種はシルヴァーナーで、ヨーロッパで古くから栽培されているブドウです。現在でも、ドイツのフランケン地方や、フランスの寒冷地で栽培されています。スイスには19世紀ごろ伝わったと言われています。
ヨハネスブルクは、すっきりとした爽やかな酸の美味しいワインです。前菜やアスパラガス、お魚料理にも良く合います。
赤ワインの種類
次に、ヴァリス州(ヴァレー州)の赤ワインの種類を紹介します。
ドール / Dôle
ヴァリス州で広く飲まれているドールは、ピノノワール種とガメイ種を調合して作られたワインです。なので、ドールという名前のブドウの品種はありません。
ヴァリス州で一番栽培されているブドウの品種ピノ・ノワールを50%以上、ガメイと合わせて85%以上のブレンド率であれば、他の品種を混ぜることも可能。なので、生産者によってさまざまな表現がなされるワインでもあります。
よく飲まれている赤ワインなので、レストランなどで注文する時にはドールを選べば、お手頃で美味しい赤ワインが飲めます。
ピノ・ノワール/ Pinot Noir
ヴァリス州で一番広く栽培されている同名のブドウの品種から作られたワインです。今では世界中で作られているピノ・ノワールですが、原産地はフランスのブルゴーニュ地方です。
ヴァリス州の冷涼で乾燥した気候がピノ・ノワールの栽培に適しているので、19世紀頃から取り入れられるようになりました。
フレッシュで軽めのタイプのワインなので、赤はちょっと苦手…という人でも比較的飲みやすいと思います。爽やかなアルプスの気候によく合う赤ワインです。
コルナラン/ Cornalin
ヴァリス州で最古の品種のブドウ(コルナラン)から作られるワインです。イタリアのアオスタ地方から、グランサンベルナール峠を通って伝わったと言われています。
生産が非常に困難で、20世紀にほぼ絶滅しかけた品種ですが、一部の根強い生産者によって保護され、今では独占的に生産されるヴァリス州の象徴的な赤ワインとなりました。
コルナランは、濃いチェリーのような赤にスミレ色のかかった色をし、口当たり柔らかくフルーティーで、力強いワインです。長期熟成も可能です(10-15年)
とても珍しいワインなので、ぜひチャレンジしてみてくださいね!ラム・小牛・鹿肉など、お肉料理と相性が良いです。
個人的に一番気に入っている一押し赤ワインです!
ユマーニュ・ルージュ/ Humagne Rouge
コルナランに次ぐ、ヴァリス州のスペシャルワインです。こちらも、19世紀後半にイタリアのアオスタ地方から伝わったとされています。
長期熟成可能なタイプで、若い時に飲むとフルーティーな味わい、3-5年熟成させるとよりどっしりとした複雑な味わいに変化します。あまり知られていませんが、隠れファンの多いワインです!
こちらも、季節のお肉料理やスパイシーな料理と好相性です。
ツェルマットのワインをお土産で買いたい!
ワインはスーパーで購入がおすすめ!
ツェルマットでお土産ワインを購入する場は、スーパーCoop(コープ)で購入がおすすめです。
品揃えも良いですし、値段も安いです。スイスのワインはどれも品質が高く保たれているので、安いワインでも美味しく飲めますよ!
Coop(コープ)はツェルマットの駅前にあります。
空港内のスーパー・免税店でも購入可能!
ツェルマットで買いそびれてしまった…という場合には、チューリッヒ空港内のスーパーまたは免税店で購入可能です。
空港内にあるスーパーで購入する場合は、必ずスーツケースに入れてください(セキュリティチェックで引っかかります)。荷物の重量オーバーにも要注意です!
チューリッヒ空港には大きなスーパーMigro(ミグロ)が目立ちますが、お酒が置いていないので、Coop(コープ)を探してみてください(小さいですがあります)
セキュリティ通過後には、免税店でもワインの購入が可能です。そこそこの値段がするものばかりですが、免税店に置いてあるものはどれも品質が良いです。
ワインは何本まで購入可能?
ワインは基本的に3本まで免税の範囲内で購入可能です。それ以上の本数を持ち帰る場合は、申告して関税を支払う必要があります。
ワインの関税は1リットルあたり200円なので、そんなに大きな金額ではありません!例え4本・5本持ち帰る場合でも、数百円支払えば良いだけなので問題ありませんよね。
免税範囲を超える本数を持ち帰る場合には、機内で配られる関税申告書に本数をきちんと記入するように注意してくださいね。虚偽の申告がバレてしまうと、罰金の対象になる場合があります。
まとめ:スイスワインをぜひ試してみてください!
スイスのツェルマットで飲めるワインの種類を解説しました。スイスのワインは日本にはほとんど流通していないので、ツェルマットに旅行した機会に、ご当地ワインを楽しんでください!
私は個人的にワインが大好きなので、スイスに添乗する時には重量ギリギリまでワインを詰め込みます(笑)荷物の重さの関係で、そこまで大量には持ち帰れないんですけど。
ツェルマットでは、他のスイスのエリアでは飲めない品種のワインも存在するので、珍しいワインをぜひ試してみてください。
スイスのご旅行相談も受けたまわっています。最新情報はInstagramにて発信していますので、覗いてみてください(
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