スイス旅行のベストシーズンはいつ?|目的別に回答します!

スイスの夏

スイス旅行の計画を立てるにあたって、いつ行こうか「季節」や「時期」を迷う人は多いかと思います。

私がスイス個人旅行専門の旅行会社で働いていた時も、一番多い質問が「スイス旅行のベストシーズンはいつ?」で、なかなか回答に困る質問でもありました。

なぜなら、各々の旅行の目的によってベストなシーズンは異なるからです。

特にハイキング目的のご旅行を扱うことが多かったので、一番のベストシーズンだと言われている6月下旬〜7月上旬は旅行が集中し、ハイキングコースが行列になるほどでした。

一方で、静かな旅行を求めている人にとって、日本人観光客に囲まれたスイスを楽しめないという人もいるのではないでしょうか。

この記事では、スイスの季節ごとの特徴を紹介の上、旅行の目的別にベストシーズンを詳しくご案内します。

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【スイスの四季】旅行の時期・季節について

秋のスイスとマッターホルン
秋のスイスとマッターホルン

スイスには、日本と同様に四季(春・夏・秋・冬)があります。

日本の気候とそこまで大きく変わりませんが、日本の長野県や軽井沢のような避暑地をイメージすると良いでしょう。

東京と比較すると、スイスの春の訪れは1ヶ月程遅く、冬が1ヶ月程長いような感覚です。スイスでは、国土面積の2/3が山岳地帯ですが、標高の高いエリアでは、夏でも雪に降られることもあります。

日中と朝晩の寒暖差が大きく、天気が悪いと一気に気温が下がることもあるので、変わりやすい天気に対応できる服装の準備が必要です。

冬は全土で降雪があり、人気の山岳リゾートでは世界中からスキー・スノーボーダーが集まります。

スイスの春(3月-5月)

春のスイス(グリンデルワルト)
スイスの (グリンデルワルト)

スイスの春は、平均気温で8 〜15 °C程度、一年の中で一番過ごしやすい季節です。

3月はまだ雪が降る季節で、山岳地帯ではスキーシーズン真最中です。4月・5月で徐々に雪解けが進み、春の花が芽吹きはじめると、ようやく5月中旬頃から山岳リゾート山麓でハイキングが楽しめるようになります。

雪化粧をしたアルプスの山々を背後に、牧草地一面を埋め尽くすお花畑が素晴らしく、スイスのイメージに一番近い景色が楽しめる季節でもあります。

山岳リゾートのオープンは5月中旬頃から。山岳鉄道やロープウェイも徐々に運行を開始します。

▼春のスイス旅行について詳細は、以下の記事にまとめました。

春の気候の目安

スイス都市部のチューリッヒ(標高408m)と山岳地帯ツェルマット (標高1,620m)の平均気温・降水量です。

スクロールできます
チューリッヒ(標高408m)3月4月5月
最高気温(℃)11℃15℃19℃
最低気温(℃)3℃6℃10℃
降水量(mm)70.4mm85.9mm115mm
データ参照元: NOAA
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ツェルマット (標高1620m) 3月4月5月
最高気温(℃)6℃11℃14℃
最低気温(℃)-3℃0℃4℃
降水量(mm)70.4mm74mm85mm
データ参照元: NOAA

スイスの夏(6月-8月)

スイスの夏
スイスの夏(ツェルマット)

スイスの夏は、日本人を中心とした観光客が賑わうピークシーズンです。

特に人気山岳リゾートでは、6月末〜7月中旬頃まで、展望台のある標高の高いエリアで高山植物が咲き乱れ、人気ハイキングコースは日本人観光客で行列になることもあります。

スイスハイキングのベストシーズンは、記事の後半に詳しく解説します!

日本の都市部と比べると、涼しく過ごしやすい気候が特徴。そのため、昔からスイスのホテル・家には冷房が付いていないほどです。

しかし、近年では異常気象が続き、夏には都市部で30℃を超える厳しい暑さが続く日もありました。今では、スイスの街歩きを楽しむ際には、冷房付きのホテルを選ぶなど暑さ対策が欠かせません。

夏の気候の目安

スイス都市部のチューリッヒ(標高408m)と山岳地帯ツェルマット (標高1,620m)の平均気温・降水量です。

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チューリッヒ(標高408m)6月7月8月
最高気温(℃)23℃25℃24℃
最低気温(℃)13℃15℃15℃
降水量(mm)132.1mm126.1mm124.7mm
データ参照元 NOAA
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ツェルマット(標高1620m)6月7月8月
最高気温(℃)19℃21℃20℃
最低気温(℃)8℃9℃9℃
降水量(mm)77mm73mm72mm
データ参照元: NOAA

スイスの秋(9月-11月)

秋のグリンデルワルトと名峰アイガー
スイスの秋(グリンデルワルト)

スイスの秋は、地元で一番人気のハイキングシーズンです。カラマツが一面黄色く彩る景観を「ゴールデンカラー」と呼び、涼しくて歩きやすい秋シーズンの到来をこぞって歓喜します。

夏シーズンに比べると晴天率が高く、空気が澄み渡り山岳展望が美しい季節です。日本人をはじめとするアジア系の観光客が減り、スイス国内も夏の騒動から落ち着きを取り戻します。

秋は収穫の季節。ジビエ料理・ワイン・チーズ・きのこ・栗など、スイスの秋の味覚をお楽しみください。

▼秋のスイス旅行についてより詳しい記事は以下をどうぞ。

秋の気候の目安

スイス都市部のチューリッヒ(標高408m)と山岳地帯ツェルマット (標高1,620m)の平均気温・降水量です。

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チューリッヒ(標高408m)9月10月11月
最高気温(℃)20℃15℃9℃
最低気温(℃)12℃8℃3℃
降水量(mm)88.5mm81.6mm82.7mm
データ参照元 NOAA
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ツェルマット (標高1620m)9月10月11月
最高気温(℃)16℃12℃6℃
最低気温(℃)6℃2℃-2℃
降水量(mm)62mm58mm61mm
データ参照元 NOAA

スイスの冬(12月-2月)

スイスの冬(ツェルマットスキー)
スイスの冬(ツェルマットスキー)

スイスの冬は、世界中からスキー・スノーボーダーが集まるウィンースポーツの中心地です!

日本人からは夏のハイキングのイメージが強いかもしれませんが、実は一番観光客で賑わうのはウィンターシーズン。

4000m級のスイスアルプスが雪に覆われて一面の銀世界に。冬にしか見ることができない絶景の中、日本のスキー場の何十倍もの規模を誇るダイナミックなヨーロッパスキーをぜひ体験してください。

11月末〜12月中旬頃(クリスマス前の4週間が目安)、スイス都市部(チューリッヒ・ベーゼル・モントルー・クールなど)ではクリスマスマーケットが開催されます。ドイツなど周辺諸国と合わせてクリスマスマーケットを巡るツアーも人気があります。

冬の気候目安

スイス都市部のチューリッヒ(標高408m)と山岳地帯ツェルマット (標高1,620m)の平均気温・降水量です。

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チューリッヒ(標高408m)12月1月2月
最高気温(℃)5℃4℃6℃
最低気温(℃)0℃-1℃0℃
降水量(mm)79mm65.2mm66.4mm
データ参照元 NOAA
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ツェルマット (標高1620m)12月1月2月
最高気温(℃)2℃1℃2℃
最低気温(℃)-6℃-7℃-7℃
降水量(mm)38mm35mm31mm
データ参照元 NOAA

旅行の目的別にベストシーズンをご案内

スイスの首都ベルン
スイスの首都ベルン

以下の目的別に、スイス旅行のベストシーズンをご案内します。ぜひ参考にしてください。

  1. スイスハイキング
  2. ウィンタースポーツ(スキー・スノーボード)
  3. 街歩き・展望台観光
  4. 格安のスイス旅行

目的1: スイスハイキング

スイスハイキングのシーズンは、一般的には6月下旬〜9月下旬までです。

その年の残雪状況や、歩く場所の標高によってベストなシーズンは異なります。以下を参考に、歩く時期を決めてください(各々詳細は別記事にまとめます)

春のフラワーハイキング(標高2,000m未満)

春のグリンデルワルト
一面のタンポポが埋め尽くす牧草地を歩く

5月中旬〜6月中旬頃まで、標高2000m未満のハイキングコースがベストシーズンをむかえます。

夏のように標高の高いところは歩けませんが、アルプスの雪山を背景に、牧草地一面を覆うタンポポやクロッカスの群生、リンゴの樹木の花が彩るフラワーハイキングが見事な季節です。

山岳リゾートの中でも、雪解けが早く牧草地が広がるグリンデルワルト周辺がおすすめ。また、レマン湖地方の丘陵地帯に足を伸ばせば、自生のナルシス群生の中を歩けるハイキングコースがあります。

高山植物とハイキング(標高2,500m前後)

スイスの人気ハイキングコース(ツェルマットなど標高2500m前後)では、高山植物ピークが6月下旬〜7月中旬頃です。その年の残雪状況によって咲く時期はやや前後します。

高山植物を見ながら歩く
高山植物を見ながら歩く

もし残雪で希望のコースを歩けなかった場合でも、標高を少し下げて別のハイキングコースを選べば、高山植物は見られるので問題はありません!

本格的なトレッキングコース(標高3,000m前後)

本格的なトレッキングコース(標高3,000m前後)を歩く人は、残雪がある可能性が低くなる7月中旬〜9月中旬頃がおすすめです。

ヘルンリ小屋往復ハイキング
人気のヘルンリ小屋往復も残雪注意

この時期は比較的ハイキング目的の観光客が少なくなるため、展望台やホテル・トレッキングコースの混雑も緩和されます。

秋のスイス|ゴールデンカラーのハイキングコース

秋のスイスは、山岳エリア(ツェルマット・グリンデルワルト ・サンモリッツなど)では、9月中旬〜10月上旬頃がゴールデンカラーのピークです。

カラマツの黄葉
カラマツの黄葉

山岳リゾートのホテルは、10月上旬頃からクローズし始めるホテルも多く、登山列車・ロープウェイなども通常通り運行しているか事前チェックが必要です。

目的2: ウィンタースポーツ(スキー・スノーボード)

ウィンタースポーツ(スキー・スノーボード)のシーズンは、12月〜3月中旬頃までです。

12月はなかなか積雪が安定しないので、年によっては雪が少ないことがあります。なので、安定した積雪状況の中で滑りたいのであれば、1月または2月がオススメです。

素晴らしい雪質(2月上旬)
素晴らしい雪質(2月上旬)

3月は気温が上がり雪の状況が不安定になりますが、標高の高いスキーリゾートであれば(ツェルマットなど)まだまだベストシーズン。晴天率も上がるので、スイスアルプスの絶景を期待している人にオススメです。

目的3: スイスの街歩き・ショッピング

スイス旅行の目的が、都市の街歩きやショッピングが目的であれば、気候が安定している春(4月5月)や秋(9月10月)が,おすすめです。

春には、チューリップ祭りが開催されていたり、菜の花やサクラの花が咲き、華やかな雰囲気を楽しめます。

トロシェナの街
スイス都市の夏は暑い

もし夏に行く場合には、暑くなる可能性がありますので、クーラーが付いているホテルを選びましょう。

目的4: 格安のスイス旅行

格安のスイス旅行を計画している人は、とにかく航空券の安い季節・時期に行くのが一番です。

スイスインターナショナル航空
直行便はスイスインターナショナル航空のみ

夏のピークシーズンに比べると、年末年始を除く1月・2月は航空券の料金が半額以下になることもあります。

また、4月5月も比較的料金が低い時期なので、格安スイス旅行のチャンスです。

まとめ:スイス旅行のベストシーズンはあなた次第!

スイス旅行の計画に役立つように、ベストシーズンを目的別にまとめました。結論は「スイス旅行はいつ行っても素晴らしい経験ができる」ということ。

なので、スイスにいつ行こう…と悩んでいる人は、仕事の休みが取れる一番行きやすい時期に決めても良いですし、目的がある人はそれが叶えられる季節を選べば良いのです。

もしスイス旅行が気に入ったら、また別の季節に再訪することで、全く新しい経験をすることができます。ぜひ、四季折々のスイスの魅力を楽しんできてください。

最新情報は、Instagramにも投稿しています(

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スイスの夏

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